2009年09月20日(Sun)
【Ｃマーク】
はじめにクイズです。書籍の巻末やイラストの隅に、よく、
アルファベットの「Ｃ」を丸で囲んだマークが付いていますよね。
あの「Ｃマーク」、何を意味するのでしょうか。次の三つの中から
選んでください。
１．国際機関に認められた、世界的な著作権が付いている。
２．日本政府に認められた、日本でのみ有効な著作権が付いている。
３．何も意味しない。
筆者は最近、日本の文化外交に関心を持っているのですが、
このテーマをめぐる議論で必ず出てくるのが、海賊版コピーの
問題です。アジアの各地には、日本のアニメやマンガの違法コピー
が出回っています。
Ｃマークが何を意味するのかは、海賊版の問題について学んでいる
ときに知りました。クイズの答えは、三番目の「何も意味しない」
です。様々なところで目にするマークですが、法的には何も意味が
ないそうです。
ただし、これは著作権を無視してよいという話ではありません。
このマークには効力がなくても、作品には著作権が付いています。
無断でコピーすれば、著作権の侵害になります。
著作権とは、登録の手続きなしに、自動的に付与されるものです。
政府機関に登録して、何かのマークを付ける必要などありません。
文章でもイラストでも、それが創作された時点で、作者に権利が
付くのです。したがって、このメルマガの文章にさえも著作権は
付いています。
Ｃマークは、著作権に関する国際的なルールが整っていなかった
時代の名残だそうです。
数十年前、世界は二つの制度に分かれていました。日本を含む
多くの国は、登録なしに著作権を認めていました。他方、米国など
一部の国は、登録を必要としていました。
このような状態では、日本などの著作物が米国で保護されません。
そこで、登録が要らない国の著作物にＣマークを付ければ、
登録を必要とする国でも著作権が認められるようにする条約が
あったのです。例えば、日本で描いたイラストにＣマークを付けて
おけば、米国でも著作権が認められるということです。
しかし二十年ほど前、米国も制度を変更。今日では、ほとんどの
国が登録を必要としていません。そこで、Ｃマークは無意味に
なっています。
◆
さて、いくら世界で認められた権利でも、著作権の侵害が
絶えません。日本のアニメやマンガの海賊版コピーは、悪質な
侵害の典型例です。また、音楽、映画、テレビ番組などの
違法コピーも目立ちます。
「国際レコード産業連盟」という機関の調べによると、
中国では、流通しているＣＤの８５％が違法コピー、
インドネシアでは８８％だそうです。これらの多くは
日本の作品だと考えられます。
このような現状を背景に、日本政府は、海賊版の取り締まりに
躍起になっています。現地の政府当局と連携して、違法コピーの
販売を摘発しています。
でも、問題の解決は困難です。最近では、違法コピーがインター
ネット上に流通しています。そこで取り締まりは、さらに難しく
なっています。
しかし、海賊版コピーも悪いことだらけではありません。
確かに経済的な損失は大きいのですが、より長い目で見ると、
日本の国益に適うとも考えられます。
アニメ、マンガ、音楽といった大衆文化は、文化外交の道具に
なります。日本のイメージ向上に貢献する、貴重な外交資源です。
日本の大衆文化を楽しむ人は、この国に対して好意的な感情を
抱いてくれることでしょう。
文化外交という観点からは、海賊版だって立派な外交資源です。
そこで、あまり目くじらを立てない方がよいのかもしれません。
何しろ日本は歴史的な事情で、アジアの人々から悪く見られがちです。
そこで、少しでも親日派を増やすように心掛けるべきです。
もっとアクセスUP
もっとアクセスUP
21:32:12
ｺﾒﾝﾄ(0)/ﾄﾗﾊﾞ(0)
[ｺﾒﾝﾄを書く]
重要なお知らせ
@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
友達に教える
ﾌﾞﾛｸﾞ[編集][作成]
ひまつぶしめにゅ～ by 凸ﾘｱﾙ
Chip!!ﾌﾞﾛｸﾞ作成/ﾎﾑﾍﾟ/ﾒﾙﾎﾞ